約7年間委託栄養士として働き、3つの病院で勤務したガリ子が実際に経験した仕事内容をお話ししたいと思います
栄養士を目指している人や、気になっている人は参考になりますのでぜひ読んでください!
委託栄養士とは
栄養士には「直営の栄養士」と「委託の栄養士」の2種類があります
「直営の栄養士」は、基本的に自分が就職した施設でのみ働きます。例えば病院に就職した場合、その病院でずっと働く事が多いです
ただ、場合によっては同じ系列の病院に移動することはあります
「委託の栄養士」は、委託給食会社に就職した栄養士で、その会社の契約先で働くことになります。そのため、色々なところで働く可能性が高いです
「委託の栄養士」の中でも、契約先によって「部分委託」で働く場合と「全面委託」で働く場合があります
「部分委託」では主に現場での調理作業になり、栄養士であっても調理師やパートと同じような仕事内容になります
「全面委託」では上記に加えて、献立作成や食材発注等の事務作業も任されるようになり、栄養士の資格を活かした仕事内容になります
仕事内容
私は「委託の栄養士」として働き、3つの病院に勤務しましたので、そこでの仕事内容を紹介します
「部分委託」と「全面委託」の両方を経験しましたが、仕事内容はかなり違っています
部分委託で行った仕事
- 食材検品
発注書を確認しながら食材の量、規格、鮮度、温度などの確認を行います
- 調理
朝昼夕食調理や、アレルギーなど食事の個別対応が必要な人への調理を行います
後はおやつの準備もあります
10時15時20時に腎臓病食用のおやつ、産婦人科や小児科がある病院はそちらもおやつ準備を行います
- 盛り付け
盛り付けする量を確認し、素早く丁寧に盛り付けを行います
- 仕込み
仕込み指示通りに食材の仕込みを行います
- 配膳
温冷配膳車で適温の食事を配膳します
温冷配膳車は、病院によってサイズは異なりますがかなり大きいです。人や壁、配膳エレベーターにぶつけないように注意して運びます
- 洗浄
患者さんの残食量を計量し、食器の洗浄を行います
残食量から患者さんの嗜好を把握して、献立の見直しを行います
- 棚卸
毎月月末に冷蔵庫や冷凍庫、倉庫内の在庫チェックを行います
全面委託で行った仕事(部分委託に書いた仕事も行う)
- 献立作成
栄養給食管理システムを使用し、栄養計算しながら献立を作成します
煮る焼く蒸す揚げるなど様々な調理方法を取り入れて、同じ様なメニューにならないように工夫します
基本約1カ月のサイクルメニューですが、夏と冬で献立を少し変更したり、行事食では季節の食材を取り入れます
栄養士っぽい作業ですね!
私のいた現場の場合、特別献立を調整する時間があった訳ではないので、空いた時間や残業をして細かい調整を行っていました
自然災害で食材が高騰したり、食材の納品が難しいとなった時は、ギリギリで献立変更しなければならなかったので大変でした。。。
- 食札管理
献立を基に、禁止食品や、アレルギーのある人など個別対応が必要な人への食事内容を確認して、食札を作成します
当日の朝昼夕食ごとに行い、禁止食品は代替えの献立に変更します
- トレーチェック
「盛り付け」作業の後に、食札通りのメニューが盛り付けられているかを患者さん一人一人チェックします
大さや刻みなどの食形態や、料理に合った箸やスプーンなどのカトラリーがしっかり付いているかも確認します
このタイミングが配膳前最後の確認になるので、配膳ミスが起こらない様にかなり集中力を使います!
- 食材発注
献立を基に食材を発注します
足りなくならないように多めに発注するので、常に在庫管理を行い、残っている食材などは次回発注分で調整してロスが出ないようにします
- 病棟電話対応
食事に関するお問い合わせ、食事変更、緊急入院や手術などがあれば直前の食出し食止めなどの連絡があるので対応します
以上が私が行った主な仕事です
栄養士と言えば、栄養バランスの良い献立を作る!というイメージがありますが、私が献立作成に携われたのは、5年目で異動になった3つ目の「全面委託」の病院でした
「部分委託」で書いた仕事は、調理師でもパートでもだいたいできる事なので、栄養士らしい仕事をちゃんとしたい!と思う人も中にはいると思います(実際に、栄養士として勤務する仲間で、思っていた仕事とは違い辞めていく人も何人かいました・・・)
ですが、現場の仕事を経験することで、作業工程や盛り付けに必要な人数などが分かってくるので、いざ献立作成に携わる時にその経験が必ず役に立ちます
ちなみに、栄養指導や病棟訪問は直営の栄養士が行うので、病棟に上がることは配膳以外ほとんどありませんでした
残業時間は?
残業時間は多い時は30時間くらいで、少ない時は5時間くらいでした
平均すると15時間くらいだと思います
病院だと朝食から夕食まで提供しますが、基本的に早番は朝食準備から夕食準備までで帰れます
ですが、夜のパートさんが足りないと夕食配膳まで残ったり、洗浄までしなければならなくなります
逆に、朝のパートさんが足りなければ、日勤だけど早番で出勤して朝食の準備をしなければならない場合もあります
今思い出すと、冬は朝日が昇る前に出勤し、夜は日が沈んでから帰る・・・なんて日もありました
皆で少しずつ人手不足を補っていたので、私の場合残業時間が多くてもこのくらいで済んでいたかもしれませんが、もともとの人員が少ない現場で人手不足になると、かなり大変だと思います
休みは?
病院だと毎日食事を提供するので、土日祝休みではなくシフト制でのお休みとなります
3~4日出勤したら1日休み、といった感じのシフトで組まれていて、希望休で3連休くらいなら取ることも可能でした
ただ、休みが固まる分連勤しなければならなくなります
現場仕事が多く立ち仕事なので、たまに5連勤があるとちょっとしんどかったです。。。
また、GW、お盆、年末年始といった連休は無く、年末年始は特に休みが欲しいと思いますが、12月31日から4日連続の行事食祭りなっており、その間の希望休は1日だけしか取れなかったです
土日祝休みではないので、周りの友達と予定を合わせづらいデメリットはありますが、平日人が少ない時間に映画を見に行ったり、病院や美容院の予約が取りやすいなどのメリットもありました
病院の場合はシフト制ですが、土日祝に休みたい人は土日祝がお休みの施設を探すのが良いと思います
お給料は?
1年目は年収230万くらいで、最後の年は320万くらいでした
一応毎年基本給を少しずつ上げてもらい、なおかつ辞める前の2年間は副責任者も任されていたので、その分の手当込みで上がっています
お給料を増やすためには、やはり栄養士手当より管理栄養士手当の方が多くもらえるので、在籍中に管理栄養士資格を取るのが一番良いです
ですが、仕事で忙しい中勉強するのはとても大変で、在職中に試験を受けて合格した人は私の周りにはいませんでした
ちなみに私は、仕事を辞めてから管理栄養士試験を受けて、2回目で合格することができました!
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます!
栄養士の仕事内容をお話ししましたが、イメージできましたでしょうか?
マイナスな面も書きましたが、毎日の仕事の成果は患者さんの食事として目に見えて分かるのでやりがいはありました
基本的にルーティンワークなので同じ作業をするのが苦じゃなく、コツコツ仕事をするタイプの人は向いてると思います!